何もしたくない。

心情です。

「Find Our 沼津」という素敵な企画の話。

 世の中にはラブライブ!サンシャイン!!というビッグコンテンツが存在する。どんなコンテンツなのかは本記事の主題ではないため、ここでは言及しない。これは俗に言う丸投げであるが、公式HPや様々なメディアミックス作品を見て理解を深めていただきたい。

 今回は、そんなラブライブ!サンシャイン!!というコンテンツのなかで一際輝きを放つ「Find Our 沼津」という誌面企画を紹介していこうと思う。

 

 

 

 

 

「Find Our 沼津」とは

 Find Our 沼津(正式名称:Find Our 沼津~Aqoursがいる風景~)とは、

LoveLive!Days ラブライブ!総合マガジン(以下、LoveLive!Days)にて連載中のAqoursが暮らす地元・沼津での日常のワンシーンを風景写真×イラストでお贈りする連載企画(LoveLive!Days本誌より抜粋)」である。風景写真をU5 K氏が、イラストを火照ちげ氏が担当している。

 実際に沼津で撮影した風景写真にキャラクターのイラストが描き加えられることによって、キャラクター達が沼津で日常生活を送っている様子が臨場感を持って想像することができる。写真・イラストのどちらもハイクオリティであればこそ実現した企画であると言える。

 そんなFind Our 沼津は、「より沼津に足を運びたくなる新企画*1としてLoveLiveDays vol.3よりスタートした。その煽り文に引けを取らない素晴らしい企画であり、実際に沼津への旅行意欲を掻き立てられた方も一定数存在するのではないだろうか、かくいう私もその一人である。

  意欲を掻き立てられてしまっては仕方がないということで、実際に同企画のモデルとなった場所へ足を運んでみることとした。

 

実際に聖地巡礼してみた。

 このような表題だと、ラブライブ!サンシャイン!!聖地巡礼行為が初めてだと思われてしまうかもしれないが、私自身沼津自体には何度も足を運んでおり、主要な聖地はあらかた回り終えている。そして何度も足を運ぶ内に沼津という土地の魅力に取り憑かれてしまい、気づけば「美味しいお寿司を食べに行く」「登山をしに行く」「温泉に浸かりに行く」などの通常のレジャー行為を聖地巡礼関係なしに楽しむようになってしまった。筆者はそんな沼津ジャンキーである。

 さて、私個人の話は本筋には全く関係ないので切り上げて、本題に入っていこうと思う。今回の目的はFind Our Spot*2巡りである。Find Our Spotの中には、何度か訪れたことがある場所もあれば、一度も訪れたことがない場所もあった。先ほど自身を「沼津ジャンキー」などと称したが、所詮は"約束されたお楽しみルート"*3をなぞって帰るだけの沼津初心者でしかないのだと実感させられた。

 では早速、実際に巡ってきた各Spotの紹介をさせていただきたいと思う。

 

Spot No.6"気多神社"

 

 初めに紹介するのは「Spot No.6"気多神社"」*4である。

 Spot名だけではピンと来なかったため、某地図サービスで位置を検索してみると、おさかな食堂 やまや*5から伊豆・三津シーパラダイス*6までの"内浦お馴染み街道"*7に位置し、とさわや旅館*8の裏手にあるということだった。内浦お馴染み街道と言うだけあって(勝手に呼んでいるだけだが)、筆者はこの辺りに何度も足を運んでいる。それこそ、とさわや旅館を拠点に内浦を散策したこともある。それなのにこの気多神社に関する記憶が何一つない。本当に存在するのか疑わしい、そんな失礼な気持ちを抱いたまま気多神社があるとされる場所へ向かった。すると...

 

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 普通にあった。堂々とあった。

 何度もこの付近を散策し、発端丈山*9に登るためこの神社の横をしっかり通り過ぎたこともある。それなのに、私はこの神社を認識していなかった。それほどまでに景色に溶け込んでいたということだろう。私も田舎生まれ田舎育ちのため、"町内にある木々に覆われた神社"みたいなオブジェクトは見慣れている。そういう"日常"色が強い場所だからこそ、Find Our Spotに選ばれたのだろうと思う。冒頭でも触れたが、この企画は「Aqoursが暮らす地元・沼津での日常のワンシーン」をフィーチャーしたものなので。

 そんな気多神社だが、境内は写真の印象よりは広いと思ってもらっていい。弱めの風が吹くと木々の揺れる音が心地よいBGMになってくれる。人の手が入っているのかいないのか微妙な佇まいにも風流を感じさせる。

 ちなみにこの場所では、Find Our 沼津と同じような構図で撮影をしたりもしていたのだが、撮影中近所のお爺さんが「奇怪な輩がいる」といった面持ちでこちらを凝縮していたため、羞恥に耐えながら撮影していたというエピソードがある。

 

Spot No.11"浮島ひまわりらんど"

 

 続いて紹介するのは「Spot No.11"浮島ひまわりらんど"」*10である。

 こちらも気多神社と同じく、「本当にここにあるのか...?」という気持ちを抱きながら向かうといきなり現れるので心の準備はしておいた方がいいだろう。

 

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 ひまわりらんどは、"らんど"と名がついているが、入場料が発生するタイプのアミューズメント施設ではなく、局所的にひまわりが大量に植えられている"ひまわり畑"のような場所である。入場はもちろんフリーであるし、なんと大量のひまわりの中に入ることもできる。ここまでの情報でなんとなく察した方は多いと思うが、この場所は映えスポットである。SNS用の写真が無限に撮れてしまう(同行者はFacebookのプロ画に設定すると言っていた)

 

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ひまわりが密集していて入る隙間がないように感じるが、意外と通り道がある。


 ここだけの話、筆者は虫が非常に苦手で、このひまわりらんどには当たり前だが蜂がブンブン飛んでいた。そのため、すぐにでも逃げ出したい気持ちがあったが、それよりこの綺麗なひまわりらんどにずっと居たいという気持ちが勝った。そしてあろうことか吸い込まれるようにひまわり群の中に入っていってしまったのである。目の前に蜂が飛んでいたが、そんなことはお構いなしと言った心境だった。それほどまでに綺麗で、居心地が良い場所なのである。

 ここで話はFind Our 沼津に戻るが、この場所に居たのは赤いワンピース姿の高海千歌さんであった。U5 K氏のコメントによると、「太陽のように咲くひまわりに似合うのは」ということで、千歌さんを選んだということである。間違いない選出理由であるし、この場所に千歌さんが遊びに来ている様子も容易に思い浮かぶ。小さい頃から高海家で何度も遊びに来ていたのかもしれない。さらにいうと「高校生になり、東京からきた桜内梨子という友達ができたので、小さい頃から何度も遊びに来ていたこの場所を紹介していそう」と、そんな想像まで掻き立てられてしまう。まさに"Aqoursがいる風景"を想起させられる場所と言えるだろう。

 

Spot No.07"長井崎"

 

 最後に「Spot No.07"長井崎"*11」を紹介する。

 分かりやすいスポットを用いて解説すると、長井崎は浦の星女学院のモデルとなった長井崎中学校が存在するあたりの場所である。学校が建っている丘の麓にバス停があり、そこから少し歩いた場所がFind Our 沼津の舞台となっている。このあたりの場所はラブライブ!サンシャイン!!聖地巡礼をするうえで欠かせないので、地名を聞いただけでピンとくる方は多いと思う。範囲も絞られるので、Find Our Spotを発見するのもそう難しくはないだろう。

 私もおおまかな位置はわかっていたので、あとは周囲を散策して合致する場所を探すのみだった。なので、この場所に向かっている時の私は、「写真を撮って聖地巡礼の思い出を残そう」くらいの軽い気持ちしか持ち合わせていなかった。

 

 だからだろうか、目の前に広がる景色が想像以上に素敵だったことに言葉を失い立ち尽くしてしまったのは。

 

 誌面と同様の画角でも非常に素晴らしい景色なのだが、国木田花丸さんと同じような体勢を取ると、眼前にはきらびやかな海、右手を向くと荘厳な淡島、という美しい自然が広がっており、思わず見惚れてしまう。たまに通る自動車の走行音もいい味を出している。人工的な機械音すらも景色の一部として受け取れるだけの懐の深さがその場所にはあった。ちなみに前方には西浦木負消波堤灯台が臨める。存在感のある赤い灯台は夕焼け空と絶妙にマッチし、周囲の自然と共に哀愁を漂わせる。我々はたまたま夕暮れ時にこの場所に到着したのだが、部活後の下校時間もこのくらいの時間だと思うので、同じような景色を花丸さんも見ていたのかもしれない。

 

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余計な人間が写っていて最悪だが、同様の構図をカメラに収めた。

 花丸さんはこの景色を観てどういう気持ちになったのだろう。筆者は非常に感動したが、地元の人間だから逆に日常のものとして特に何も感じなかったのだろうか、そんなことを考えながらしばらくこの場所でのんびりした。今度は太宰の一冊でも持参しようと思う。

 

総評

 

 今回は3つのFind Our Spotのレポートをさせてもらったのだが、どのスポットも"Aqoursがいる風景"を十分に想起させられる場所で、オタクとしては様々な想像が捗り、非常に居心地が良かった。

 最後には"Aqoursが見た風景"に思いを馳せてしまっていたりと、少し企画趣旨からは外れた楽しみ方ではあるが、Find Our 沼津を通して、我々も新しい沼津をFindすることができたということかもしれない。

 

 

「Find Our 沼津」という企画は素晴らしいという話。

 

 ここまでの内容で少しでも読者の皆様に伝わっていると嬉しいのだが、Find Our 沼津という誌面企画は非常に素晴らしい企画である。

 冒頭でも述べたが、実際の風景写真にキャラクターが描かれていることにより"沼津の日常"を生きるAqoursの姿がより鮮明に想像できるようになるのだ。Aqoursの面々はこの沼津で確かに生きていて、今も日常を送り続けているのだと我々に確信させてくれる。沼津というローカルと深い結びつきがあるラブライブ!サンシャイン!!というコンテンツだからこそ、このような演出によって生まれる効果は絶大であると思う。

 そして、この企画を通じて我々は沼津の新たな一面を発見することができたのも魅力のひとつだろう。これは感情的な部分なので、個人差はあるだろうが何か感じ入るものがあるはずだと私は思う。こればかりは実際行ってみないことには分からないので、少しでもこの企画に惹かれた方はぜひ現地に足を運んで欲しい。まるでパイオニアのような目線で語ってはいるが、私もまだまだFind Our 沼津初心者なので、これからも沼津にはガンガン足を運ぶことになるだろう。当企画には末長く連載を続けて欲しいものである。

 もう何度も行っているはずなのに、知らない土地に行くかのようなワクワクを感じて止まない。まだまだ沼津をやり切ることは難しそうだ。

 

*1:ラブライブ!総合マガジンVol.02より抜粋

*2:Find Our 沼津内でフィーチャーされる場所のこと

*3:沼津に何度も通う内に構築した満足感が保証されている沼津巡りルート。「登山組み込み型」などのバリエーションが存在する。

*4:LoveLive!Days vol.5 p30に掲載

*5:友人曰く金目鯛の炙り漬け丼なるものが美味しいと評判のお店。筆者はクソ雑魚なのでいつも入店タイミングを逃している。

*6:Aqours 2nd single「恋になりたいAQUARIUM」の聖地でもお馴染みの水族館。タカアシガニに触れたり、イルカやアシカのショーを見れたりと魅力たっぷりな場所である。

*7:沼津へ来ると必ずこの辺をうろちょろする時間があるため、勝手にこう呼んでいる。

*8:津島善子さん推しの気持ちが強い旅館。朝食はバランスが良く、干物が美味しいのでオススメ。

*9:沼津にある標高410mの山、中腹にある展望台からの景色が最高。

*10:LoveLive!Days vol.8 p20,21に掲載

*11:LoveLive!Days vol.6 p20,21に掲載